名古屋市の遊具で、富士山の形の滑り台がある。
名古屋の滑り台は「富士山」形?
180キロも離れた地で多数設置されているのはなぜ?
https://www.sankei.com/west/news/161104/wst1611040043-n1.html
自宅から歩いてすぐの公園にも、
少し距離はあるけれど歩いて行ける範囲の公園にも、
近くの3箇所 全て、この遊具が設置されている。
先日の日曜日、パパとねねちゃんだけで、公園に遊びに行ったら
すでに小学生の子たちが、この遊具で遊んでいた。
裸足になって、助走をつけて、一気に山頂まで駆け上がる子もいれば
途中で力尽きて、ズルズル〜っと、落ちてしまう子もいる。
その様子を見て、ねねちゃんに火がついた。
靴を脱がせろと、催促する。
靴を脱いで、靴下を脱ぐと
四つん這いになって、裸足でこの山のツルツルの面を登り始めた。
パパは、石が出ているところで身体を固定しながら
ハラハラしながら、ぴったり後ろを支えて登る。
頂上では、何人かの小学生たちが座っていた。
最初は気にもとめていなかったけれど
2歳に満たない子が、頂上まで近づいてくると
小学校3年生くらいの女の子が、驚いた表情で言った
「え!? ハイハイで登り切るの?」
その子の方を見ると、
黒く日に焼けた健康的な表情で
腕とか足とか、いたるところに擦り傷やかさぶたなどの、百戦錬磨の名誉の負傷がたくさんあった。
歴戦の勇者のような子だ。
結局、パパは一度もお尻を支えず
ねねちゃんは、山を登りきった。
「私、いつもこの公園にきてるけれど、
ハイハイで登り切った子、初めて見た」
驚くその子の横に、ねねちゃんはちょこんと座る。
そして、まだ言語にはならない言葉で、その子に武勇伝を語り始めた。
「◯※&*%&* でねー
#&&%()#%# のねー」
「なんて言ってるの?」
その子が、パパに聞く
「なんて言ってるかなぁ。いっぱい話したいみたいだねぇ」
と、言ってると
「びっくした!」
と、ねねちゃんが言った。
「あ、今、『びっくりした?』って、言った!」
ようやく意味が聞き取れたその子は、
「びっくりしたの?」と、ねねちゃんに語りかけてくれた。
ねねちゃんも、嬉しそうだ。
それから、何度も下に降りては、ねねちゃんはまた、山を登りきった。
いつの間にか、ねねちゃんの登山に興味を持ってくれた男の子がいて
山頂から、白い馬に乗った王子様のように、ねねちゃんに手を差し伸べてくれたりした。
そんな微笑ましい様子を
山頂の一歩手前の、岩にようやくつかまりながら
プルプルしながら、パパは見守っていた。