夜も遅くなったので8歳の娘を布団に運んだら
「パパぁ、お話して」と言ってきた。
「どんなお話がいい?」
「カワウソの話」
「カワウソの話?」
「うん。ウソをつくカワウソの話」
「そんな話あったっけ」
「パパが作って」
「いいよ」
・・・あるところに、カワウソの親子がいました。
お父さんは早くに死んじゃって、お母さんと子どもの二人で暮らしていました。
子どものカワウソは、いたずらっ子でした。
ウソをついて周りの人をだまして遊んでいました。
ある日、カワウソの子どもが外んで遊んでいると、
お腹をすかせた1匹のオオカミがやってきました。
オオカミはエサを見つけて嬉しそうです。
カワウソの子どもに襲い掛かろうとしました。
『ちょっと待って!』と、カワウソは言いました。
『僕、外で遊んで泥だらけだから、食べるとジャリジャリしておいしくないよ。家でお風呂に入ったらもう一度来るから、一度家に帰らせて』と言いました。
オオカミは少し考えた後、『わかった、ぜってー戻って来いよ』と言って、カワウソを家に帰しました。
家に帰ってきたカワウソの子どもは、まんまとオオカミをだませて大喜びです。そのことをお母さんに嬉しそうに話しました。
『お母さん! ぼく、オオカミにウソをついて逃げて帰ってこれたんだよ。すごいでしょ!』
お母さんはおどろきながらも、安心してカワウソの子どもを抱きしめました。
でも、ふと真面目な顔になって、こういいました。
『あんた、オオカミには”戻る”って約束したんでしょ? あんたが食べられたら困るけれど、オオカミと一度した約束をやぶるのも良くない。
一緒に行ってあげるから、オオカミに説明しに行こ』
そうしてカワウソの親子は、お腹を空かせて待っているオオカミのところに約束を守りに行くことにしました。
・・・・
そんな話をしていたら、ねねちゃんはすぐ寝るかなと思ったんだけど、真剣な表情で物語の続きを聞き入ってた。
さて、カワウソの親子はどうなったでしょう。
ねねちゃんなら、どうする?