最近のねねちゃんは、よくパパを叩く。
みたかった動画を「ごはんの時間だから」と、取り上げられた時とか。
寝なくちゃいけないのに遊び続けているから、「これでおしまいね」と、取り上げた時とか。
ねねちゃんの叩き方には、特徴がある。
取り上げた時、「イヤだ」と言う感情にスイッチが入る。
顔がくもって、怒りが湧いてくるのがわかって
「ん!!!!」と、叩くフリをする。
そこで、一度止める。
つまり、「返さないと、叩くよ! パパ」と言う意思表示だ。
パパがそれでも返さないと、最初は軽くグーで叩く。
「ねねちゃん、叩かないで。パパは、ねねちゃんに叩かれると悲しい」
と、パパの気持ちを伝える。
その言葉のトーンによって、さらに叩き続けることもある。
強くしてみたり、弱くしてみたり。
特に、ねねちゃんのグーがパパの顔に当たりそうな時は、ちゃんと躊躇してるのがわかる。
ねねちゃんの叩き方によって、しつけの方法は変えている。
少しでも躊躇して叩いているときは、できるだけ感情の方に向き合うようにしている。
「悩んだ上で叩いた」のであれば、叩いたことが問題なんじゃなくて、悩み方のプロセスの方が問題なわけだから、「その悩み方だと、パパは悲しいよ」と言う方を伝える。
悩まずに、とっさに感情が出て叩いたなら、とっさの行動自体をすぐに叱る。
この辺りは、動物的な反応だから、動物的に叱るようにしてる。
特に、ママのことを叩いたときは、有無を言わさず叱る。
「コラァ!! ママのことを叩いちゃダメ!」
当然のことながら、叩くつもりがなくて当たっちゃったのであれば、全く叱ることはない。
「周りに人がいるから、気をつけようね」くらいだ。
この前、ママのお腹に飛び乗って甘えたときは、さすがに注意はしたけれど。
理由がきちんとありそうな場合は
「叩いちゃダメだよ。ちゃんと説明してごらん?」
と、理由を聞くようにしてる。
まだ上手には説明できないけれど、「これがイヤだった」と言うのは理解できる。
できるだけ、彼女の感情に寄り添うようにしてるから、仲はいいと思う。
叩いたことでケンカをしたとしても、すぐに仲直りして「パパ、一緒に遊ぼ」と言ってくれる。
何よりも大切なことは、
「叩いちゃダメ」と言うことを教えるよりも
「叩くよりも、別の解決策があるよ」と言うことを、教えることだと思ってる。
「叩かなくても、ちゃんと説明してくれれば、意見は聞く」と言うことを、示し続けているつもりだ。
だから、ちゃんと説明してくれたときは、その意見をできるだけ取り入れて妥協策を提案してる。
「わかった、じゃぁ後少しだけだけど、続けていいよ。
その代わり、これが終わったら寝るから、お約束できる?」
ねねちゃんは、ちゃんと説明をして約束をしたら、ちゃんと理解できるので、
多少ぐずるときもあるけれど、終わったらやめて布団に行ける。
そんな中、今日はとっても嬉しかった。
車の通りが多い横断歩道。
ここを渡るときは、必ず手を繋ぐか、抱っこをして渡っている。
今日は、自分で渡りたがった。
でも、ママは手を離すことはしない。
「んー〜! んー〜!!」と、手を振り払おうとする。
こう言う時に手がパッと離れて飛び出すのが一番怖いので、パパが交代してねねちゃんを抱きしめるように動きを止める。
駄々をこねながらも、引きずられるように横断歩道を渡った後
渡らせてくれなかったママに文句を言った。
「ママ、だめ!! ぶーー〜!!!」
ふくれっ面で、怒りを伝えてた。
「ねねちゃん、ママはねねちゃんを守るために手を繋いでくれてるんだよ」
と、諭すように説明すると、大きな声でこう言った。
「ねねちゃん、悪くないもん!!!」
僕の中では、初めてのセリフだった。
そりゃそうだ。ねねちゃんが悪いわけじゃない。
この歳で、
「自分が正しいと思ったことを叱られる理不尽」に対して、ちゃんと”自分は悪くない”と主張できる姿勢に、感動してしまった。
「そうだね。ねねちゃんは悪いことしてないね。
でも、ママもねねちゃんが大事だから手を繋いでたんだよ。
仲直りしてごらん」
結局、ふくれっ面のまましばらく拗ねてたけれど、彼女が自分の意見を大きい声で言えるようになったのは、すごく嬉しいことだ。
だからこそ、成長過程の中での衝突は増えるだろうけれど、僕は何にでも従う”良い子”を育てたいわけじゃない。
意見が違った時に、言い負かすこともスキルとしてはできるけれど
「あなたの気持ちはとってもわかるけれど、わたしはこう思うわ。
きっとその2つを掛け合わせると素敵な答えが見つかるはずだから、一緒に考えてみよう」
と、伝えられる子になってほしい。