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中学校の時に、
髪の毛が長くて色のついている女の子が転校してきた。

ぼくは、バリカンで坊主にしているような太っちょだったから
それが「不良さん」なんだとは、気づいてなかった。

その子は少しの間、ぼくと席が近かった。
前後だったか、左右だったか、覚えていないけれど。

で、プリントを回す時とか、何かする時
その子と話をしていた記憶がある。

ぼくはそのうち、
いつもぼーっとしていて
クレヨンしんちゃんのぼーちゃんに似ているから、
「ぼーちゃん」と、その子にだけは呼ばれるようになった。

その子は、そのうち
あまり学校では見かけなくなったけれど
中学校の卒業式には、来ていた。

卒業アルバムの最後の空白のページに
寄せ書きをするというのが流行っていて

ぼくは、その子のところに行って、書いてもらった。


 

その子が書いた言葉の内容は、
大人になっても、いつも覚えていた。

久しぶりに、中学校の卒業アルバムを出して
懐かしくなった。

「ぼーちゃんは、とってもやさしかった。
そのやさしさを、忘れないでね」

恥ずかしながら
当時は優しかった記憶はない。

その子が不良だったという認識もないけれど
後から振り返ったら、そうだったんだなという感じ。

でも、だからこそ
変わらずに接していたのかもしれない。


 

この言葉は、今の自分の活動指針の1つでもある。

大人になるほど、
時々「やさしい」を選択することが難しくなる。

けれど、大人になるほど
「やさしい」を選択する自由がぼくには増える。

自分にとってやさしいのと
誰かにとってやさしいのと
選択肢が2つに分かれる時

ぼくは、「お互いにやさしい」選択を
いつも探せる大人でありたい。

ぼくにとって、ホームページ作りって
そういう選択の1つだ。